みなさんは畳が何から出来ているか知っていますか?
「もちろん知っている」という方もいれば「あまり知らない」という方もいらっしゃると思います。
ここでは、畳がどんな材料でできているかを詳しく説明していきます。
そのほかにも、畳の寸法についても解説していますのでぜひご覧になってください。
まずは、畳の材料について詳しく解説します。
畳は、主に下の3つの材料からできています。
1つ目の材料は、畳表(ござ)です。
畳表は、一般的にはござと呼ばれることが多いです。畳屋の間では、表と呼んでいます。
畳表は、左の写真に写っているいぐさという草を刈り取り、織り込んだものです。畳表は、農家の方が作っています。
畳屋は、農家の方から畳表を直接購入したり、畳の材料屋さんから購入するなどしています。
畳表には、国産のものと中国産のものがあり、最近は、ほとんどの畳屋が中国産の畳表を使用しています。(国産畳表と中国産畳表の違いについては、国産と中国産の違いという項目で説明しています)
畳表の品質によって値段が変わり、安いものから高価なものまで様々な種類があります。
左の写真は、農家の方に協力していただき、撮影しました。
一番上の写真はいぐさを刈り取る前の写真です。いぐさは写真のように畑で栽培されています。
二枚目の写真は、実際にいぐさを刈り取っている風景です。
三、四枚目の写真は、刈り取ったいぐさを機械を使って実際に畳表(ござ)を作っているところです。
昔は手で畳表を作っていた方もいらっしゃったようですが、今は、ほとんど写真に写っているような機械で作られています。
2つ目は、畳床です。
畳床というのは、簡単に説明すると畳の土台のようなものです。
畳床を部屋の寸法に合わせて切断し、その上から畳表を張り付けるといった要領で畳を作っていきます。
畳床にもいろいろな種類があり、主にワラ床、ワラサンド、建材床といったものを使用しています。
現在は、全体的に建材床を使用することが多くなってきています。
畳床の名前を説明するだけではわかりにくいと思いますので、下のほうでそれぞれの特徴を説明しています。
3つ目は、ヘリです。
ヘリというのは、畳の端に付けてあるものです。
昔は、黒色のヘリや茶色のヘリを付けている方が多かったのですが、最近では、ガラの入ったヘリを付ける方が増えてきています。
畳屋さんによって、取り扱っているヘリが違うことがありますが、どの店でも取り扱っている種類が豊富なので、お客様のイメージにあったヘリが見つかるかと思います。
ほとんどヘリによって料金が変化することはありませんが、中には特殊なヘリがあり、麻で作られている麻縁や寺院、仏閣などに使用する紋縁などに関しては料金の追加を行っています。
次は、寸法(畳の大きさ)について説明したいと思います。
畳を作る場合には、メートル法ではなく、尺間法という方式で寸法を測っています。尺間法の単位には、尺、寸、分、厘などがあります。
畳を作る上で、寸法はとても大事な要素です。なので、寸法を測る際には、常に慎重に作業を行っています。
実は、同じ部屋の畳でも、一枚、一枚大きさが違います。違うといってもほんの少しの差なのですが、その差が、畳を作る上でとても重要なんです。
少し寸法を間違えただけで畳が入らなかったり、隙間ができてしまうので、我々は寸法には、すごく気をつかっています。
畳の寸法には、3つの基準があり、京間(本間)、六間(中京間)、五八間(江戸間)という風に分けられています。(この基準違いによって畳の値段が多少、変化する場合があります)
一つずつ詳しく説明していくと、京間(本間)というのは畳の寸法の基準の中で、一番大きな基準です。基準となる大きさは、3尺1寸5分×6尺3寸(955mm×1910mm)となります。
六間は、3つの基準の中では、真ん中の大きさになります。基準となる大きさは、3尺×6尺(910mm×1820mm)となっています。
一番、小さいのは、五八間です。基準となる大きさは、2尺9寸×5尺8寸(850mm×1700mm)となります。
この3つの基準を使って畳屋は、畳を作っています。
1、畳表(ござ)
2、畳床
3、ヘリ
全てワラでできている。現在では、あまり使われることがない。
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畳を踏んだ時や寝転がった時の感触がいい。
空気清浄効果が期待できる。
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床の価格が3つの中で1番高い。
非常に重いので一般の方が持ち運びをするのは困難。
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ワラ床に似ているが写真のように真ん中に発泡スチロールが挟んである。
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ワラ床よりも価格が安く、性能もほとんど同じ。
3つの床の中で1番バランスがいい。
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建材床よりも重いので多少運びにくい。
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現在、3つの畳床の中で最も需要が高い。
木のチップで作られたボードの間に発泡スチロールを挟んでいる。
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価格が3つの床の中で1番安い。
とても軽いので簡単に持ち運びができる。
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感触があまり良くない。(硬い感じがする)
空気清浄効果があまり期待できない。
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上の写真は実際に寸法を測っているところを撮影したものです。
寸法を測る作業は、新畳を作る場合に行います。
寸法を取る方法には、全て手作業で行う方法とレーザーと呼ばれている機械を使用して寸法を取る方法があります。
当店では部屋の状況によって寸法の取り方を使い分けています。
この写真は、部屋の寸法を細かく紙に書いたものです。我々は寸法帳と呼んでいます。
この写真を見てもなにを書いてあるのか分からないと思いますが、部屋の寸法をこのように細かく測ることで、畳をきれいに敷くことができます。